きゅーLOG

おもったことをちょっとずつ書きとめるところ

市場価値とは何ぞやを考えてみる

転職活動を考える際には、自分にはどのぐらいの給料がもらえそうか?すなわち「自分の市場価値」に向き合うことになります。

私は、みんなが嫌う「コードが書けないSE」です。コード書けないSEの市場価値ってなんだろ?ということから以下のようなモデルを考えて、コードが書けないSEの市場価値を分析してみました。

経済理論の「協力ゲーム」を用いてモデル化してみます。 (まさか大学の基礎教養で触れた協力ゲームを使ってみようと思う日がくるなんて)

協力ゲームのモデル化

イメージはAがコードが書けないSE(すなわち私)、B,Cがコードを書くエンジニア、というモデルです。 3人集まってプロジェクトを実行したときの、各々の価値を考えます。

  • Aは1人では1円の売上を生むことができない。
  • B,Cは1人で売上10百万出すことができる。
  • BとCが協力すれば売上20百万。単純に売上が加算されるだけ。
  • Aは、BとCの生産性を倍に上げることができる
    • N=1のとき、売上20百万
    • N=2のとき、売上40百万
    • N=5のとき、売上100百万

すなわちAは自分ではコードを書けないが、顧客の要件を整理する、効率よい開発・テスト方針を定める、プロジェクト管理、社内報告、調整ごとが得意、というようなイメージです。

このNを可変にして、このモデルにおけるA,B,Cの価値を考えてみましょう。 (N=1だったら、本当にAは無価値ですね)

3人の価値を考える

A,B,Cの価値を、彼らが貢献した売上分と考えてみます。 この貢献に対する絶対的な解(答え・計算方法)は存在しません。

有名な解の概念としてシャープレイ値があります。

「Aくんがプロジェクトに参加することで増えた売上=Aの価値」というイメージです。

3人が順々にプロジェクトに参画することを考えた場合、 参加の順番がA→B→C、B→A→C、…と6通りあります。 これらの順番全てに対してAの価値を計算し、最後に平均を取る。そんなイメージで計算します。 詳細な説明はWikipediaにゆずるとします。

シャープレイ値(Wikipedia)

実際の計算

N=2の場合はどうでしょう。N=2の場合は、3人で売上40百万です。

順番 Aの価値 Bの価値 Cの価値
A→B→C 0 20 20
A→C→B 0 20 20
B→A→C 10 10 20
B→C→A 20 10 10
C→A→B 10 20 10
C→B→A 20 10 10
平均 10 15 15

2倍程度では、BやCよりも価値が低いといえます。自分ではコードが書けないからしかたないですね。

では、N=5(売上100百万)の場合はどうでしょう。 つまりAは他のひとの生産性を5倍に上げる人ということです。すごいですね。

順番 Aの価値 Bの価値 Cの価値
A→B→C 0 50 50
A→C→B 0 50 50
B→A→C 40 10 50
B→C→A 80 10 10
C→A→B 40 50 10
C→B→A 80 10 10
平均 40 30 30

生産性を5倍にしてくれるAと一緒に仕事するだけでBとCの価値も3倍に上がりました。 Aの価値は40と、BやCよりも価値が高い人材ということになります。

ちなみに、N=3のときにA,B,Cの価値が20で一致します。 もっというと以下計算になります。

  • Aの価値=10*(N-1)
  • B,Cの価値=5*(N-1)+10
N A,B,Cの価値 A/B
2 A=10,B=15,C=15 0.67
3 A=20,B=20,C=20 1
4 A=30,B=25,C=25 1.2
5 A=40,B=30,C=30 1.33
6 A=50,B=35,C=35 1.43

考察

コードが書けない(自分でモノを作れない)SEの代表的なキャリアはプロジェクト管理でしょうか。日本ではPMはSEよりも年収は高いです。根拠ありませんが感覚的には1.2倍~1.5倍でしょうか。 例えば、PM年収がSE年収の1.33倍の場合は、少なくともSEたちの生産性を5倍は引き上げてないとおかしい、ということになりますね。

ちなみに、これはチームが3人の場合です。人数がもっと増えた場合の計算はしていません。いつかやってみよう。

ただ、自分でモノを作らない人は、コード書けなくても無価値ではない。ただ、モノを作る人たちの生産性を何倍にできるか?ということが市場価値に直結するのだ、ということが改めてわかりました。